無職な生活④
day8 (6/8)
朝食を食べ、奥さんを送り出し、掃除やら洗濯をしたり窓の外を眺めたりする。正直なところ暇なのだが、暇だと思うことへの罪悪感やなんとも言えない後ろめたさから余り考えないようにしている。
ベランダで育てているトマトやキュウリが花を咲かせた。日のうちに花が咲いたり、実をつけたりだいぶ成長するので目が離せない。もはや隠居生活のようだ。昔話とかで「A市に暮らす某とかいう老人」みたいな紹介をされそう。
何百年後かにこの日記に歴史的価値がついたりしないかな~。
day9 (6/9)
6/11に書いているが、もはや記憶がない。やばい。
リアルに何をしていたんだろうか。最近なぜか応仁の乱にはまったのでその関連の本を読んでいた気がする。
自宅コンロでできるポップコーンを作ってみたが、めちゃめちゃに焦がしてしまった。炭も塩をつければそれなりに食えるということを学んだ。
day10 (6/10)
夜に自宅へ帰ってきた。
離職票やら給付金やらの諸々の書類が届いていた。いえーい。
明日はハローワークだな。ちょっとワクワクしている。帰りにタワレコでLaura day romanceの新譜を買ってこよう。
無職な生活③
day 5(6/5)
長らく働いていないため、社会との隔たりを感じていた私はバイトアプリをダウンロードしたりする。募集内容を眺めているだけで満足している自分は、昔と少しも変わっていない。参考書を買った時、過去問を手に入れた時…。歴史は繰り返されるのだ、と思った。
夜は奥さんの家のあるA市へ向かう。この時期の何とも言えない生暖かい風は、好きなもののひとつだ。夕飯はクソデカハンバーグを食べた。
day 6(6/6)
A市は山間の土地であり、所謂「田舎」とか言われてしまうような場所である。しかし、都会に比べれば割と涼しく、自然豊かで気に入っている(ボーッと山を眺めながら聞くトンビの声は最高)。
チェーン店がほとんどなく、外食といえば専ら個人経営の定食屋だった我々は、この日1時間半もかけてマクドナルドへ出かけた(色々怖いから車の中で食べた)。ユニクロで夏服も買った。禁欲を誓ったが、早速クレジットカードを使ってしまった。
ちょっと出かけただけでも1日潰れるから面白い。帰りの車内では、人名しりとりやレミオロメンの南風を歌ったりして盛り上がった。
day 7(6/7)
冷やし中華始めました。私は専らゴマだれ派です。
夜はフリスビーやランニングをしたりする。広場で奇声をあげながらフリスビーを飛ばし合うのは非常に楽しかった。
無職な生活
始まった無職生活
5か月間におよぶ休職生活が終わり、ついに無職となった。だいぶ休職期間も長かったことから開放感は皆無であり、ただただ不安だけが残る。まぁただズルズルと長引かせるよりかは、区切りをつけることができたということで勝手に納得している。
特にやることもないので(???)、おそらく人生で貴重な体験となるであろう休職・無職期間のことを記してみることにした。「あの頃はほんとうに大変だったよな~」とあとでしみじみと思い返してみたい。マジで。
あとはもしかしたら同じような境遇の方が1人でも見てくれて「あぁ、こんなやつもいるんだな」と思ってもらえたらこれ幸いである。
day 1(6/1)
調べるとどうやら役所で諸々の手続きが必要らしい。「国民健康保険、国民年金、失業保険」と念仏のように唱えながらPCにかじりつく。この3つを唱えても極楽浄土には行けないらしいが、もしかしたら苦しみから解放された無職という存在は、極楽に生まれ変わった来世の姿であるのかもしれないと思った。
day 2(6/2)
離職票が届かなければ諸々の手続きができないそうで、待ちぼうけである。1日に3回くらいポストを確認するも来ず。それにしても保険証がないというのはものすごい恐怖と不安だということが分かった。
そういえば会社に保険証を返却した後に、ソフトコンタクトが目の中で破れて破片が出てこないということがあった。「超痛ぇ~」よりも「え、保険証ないのに眼科で破れたコンタクトを取りに行かないといけないのか・・?」という何とも恥ずかしい気持ちになった。今回は無事救出できたが、元来人の目を気にする質であるから、こうもビクビク過ごさねばならんのかと悲しくなったりする。堂々たる無職でありたい。
day 3(6/3)
どうやら離職票の到着にはそこそこの時間が必要らしい。しかし国保等の手続きも基本14日以内だとか。果たして間に合うのだろうか。
クレジットカードの請求額が17万だったこと(本当に意味が分からない)以外は特に何もない1日だった。禁Amazon、禁楽天PAY、禁iTunesを誓う。転職サイトへ久しぶりログインしたりする。
青い空
ブラりと散歩に出掛けた。いつもと違う方角へ特に目的もなく進んでみたりする。
途中、竹藪の中に古びれた神社を見つけた。もう随分と手入れがされていない様子で、狛犬なんかは右側の方がどこかへ行ってしまったのか、台座だけが残されていた。
本堂前の階段に腰掛けボーッとする。会社から連絡がないのをいいことに連絡を怠っていたり、かと言って辞める旨を伝えるのもなんだか出来ないでいる。
「なんだかもう疲れたな…。」と、他人行儀な言葉が口から溢れた。「いい歳して何やってんだか」誰でもない自分に対して。
空は気が狂いそうなほど青かった。
「空が青いなー」「そうですね」
なんとなく出した声に狛犬が答えた。
「君はひとりかい?」「そっちのはこんなとこでやってられんと、もう随分と昔にどこかへ行ってしまいました」
「君はどこかへ行かないのかい?」「一応、ここにいるのが役目なので」
「役目?」「ええ、仕事みたいなもんです。私に関して言えば、別に誰かに頼まれた訳でもないのですけど」
「そうなの?」「まぁ他にやることもないですしね。わたしはたまたま神の守護ってだけで、それぞれ誰にでも誰に頼まれた訳でもない役割があるのだと思いますけどね」
「そんなもんなんかね」「そんなもんです。誰にも見られなくても、たまに貴方のように見つけてくれる人がいます」
狛犬はそれっきりであった。
復帰など
自分の性格を考えると、これはもう退職かなぁという思いがある。復帰したところでどの面下げてというのもあるが、このまま続けていてもまたいつか同じような状況になるような気もするし、周りの目が気になる質なので、変なプレッシャーから自爆すること請け合いである。
ただ、辞めたところでじゃあ次どうするのかと聞かれると、言葉に詰まる。目処無し。結婚しておいてこれ如何に。
昔からこういうところが嫌いだなぁと思う。「こうしなければならない」「こうであるべきだ」のような誰からも求められていない要求に苦しめられる。
「結婚したばかりなのに無職は恥ずかしい」「定職についていないと恥ずかしい」etc
あと人の意見を聞きすぎて自分の意見が無くなったりする。人の期待に応えようとする。これは未だに治らない。(だから休職したのか…?)
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義父からメールが届く。「仕事は辞めない方がいい」「今度あった時打合せしよう」のような趣旨であった。
人の期待に応えたい反面、人から指図されると頑なにやる気がなくなるメンドクサイ人間に効く薬はありますでしょうか。